第37章 私立リアリン学園!~ロベール~ 情熱編
自分でも何を言っているのだろうと思うほどだ。もう、思考能力さえも、どうかなっている。
ゴクリと大げさなまでに息を呑み、静かに両手を下げ、今度は腰に手を添える。
意を決して、ショーツを下ろし、片足ずつ抜いていく。
文字通り一糸まとわぬ姿になると、ソファに身体を横たえる。
ロベール先生は、先ほど傍らに置かれたイーゼルを引き寄せ、椅子に腰掛けると、私へと向き直る。
と、絵筆を持ったまま首を傾け、鼻の横を掻いている。目元が真っ赤だ。
そんな様子を見ていると、こちらまで顔から火がでそうなほど羞恥でいっぱいだ。
外気に晒された素肌が熱を持つ。
けれど。
パレットの上で絵の具を混ぜ合わせ、もう一度こちらへと向いたロベール先生は、さっきとはまるで別人で、どこからどう見ても画家の顔つきになっていた。
力を抜いて、深くソファに身を預ける。
私は、モデルに徹しよう―――。
そうして、二人の間に、濃い、沈黙の時間が流れていった。
「完成だ」
ほどなくして、小さな呟きを捉え、身体を起こす。
「本当ですか!」
すぐさま、駆け寄ってロベール先生の横に立ち、絵を覗き込む。
「うっわ」
さっきよりも、ありありとした生々しさ。直視できないくらいなのに、目が離せないなんて。
不思議な感覚だ。
躍動感と生命力に溢れた私が、そこにいる―――。