第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
「わかったよ。戻って、おとなしく勉強する」
「そうだね。ねえ、テストの出来は、どう?」
「順調」
「それはよかった。先生の教えが、よかったかな?」
「俺の実力だろ」
「もう!」
「冗談。補習、感謝してる」
急に優しい表情でお礼を言われて、照れてしまう。レイヴィスの笑顔が眩しい―――。
「えっと………あ、じゃあ、私行くね」
なんとなくいたたまれないなくなって、歩き出す。
「どこ行くの?」
「え、私?」
この先は、屋上と美術室しかない。屋上に行けないとなったら、行く先は一つだ。
「ロベール先生に世界史のわからないところを聞きに行くんだ。今度から世界史も担当することになったから」
………絵のモデルをしていることまでは、言う必要ないよね。
慎重に言葉を選んで簡潔にそう答える。あ、なんか、この状況って、レイヴィスと男子宿舎の前で会った時と似てるな。