第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
簡単な昼食を終えて、美術室へと向かう。
階段をのぼり終えたところに、人影を見つける。
誰かがいるなんて思ってもいなかったから、びっくりして声を上げそうになってしまった。
よく見ると、それはレイヴィスだった。ヴァイオリンを手に静かに降りてきて、私の姿に気づいて足を止めた。
「こんなとこで何してるの?オケ部はテスト期間中は休みだよね?」
「何日も弾いてないと腕がおちるから。屋上で練習しようと思ったんだけど。なんか、デカイ錠前がかかってて入れない」
「錠前?屋上は、立ち入り禁止の貼り紙はしてあるけど、鍵なんてかかってたことないから、普通に出入りできてたよね?」
「昨日までかかってなかった」
「昨日って………いつも屋上で練習してたの?」
テスト期間中、屋上で練習してたってこと?それって、つまり、その度に美術室の前を通ってたってことだよね?
私とロベール先生が一緒にいるところを見られているかもしれないと思ったら、なぜだか鼓動が速まっていく―――いや、別に、見られて困るようなことはしてない!
「もしかして、俺が出入りしてるから鍵かけられたのかも」
「それはありえるね。屋上でヴァイオリン弾いてたら丸聞こえ。テスト期間中は勉強しろってことじゃない?」