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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~




「あの日………剣と剣のぶつかり合う金属音が、すぐそばで聞こえていた。俺をかばって命を落とした人がいる。忘れられない………いや、忘れてはいけないんだ」


目の前にいるのに、私ではない、どこか、まったく違う遠いところを見つめている。その瞳には、深い深い悲しみの色がはっきりと見てとれる。血の気の引いた青白い顔色。薄く開かれた唇は、微かに震えている。

どんな思いで話してくれたのだろう。今まで抱え続けてきた過去―――。

こんなに重い秘密だなんて、想像もつかなかった。

時折見せるロベール先生の寂しげな眼差しの理由を知りたいと、単純に思っただけだったのに―――申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

何か言ってあげたい。だけど、同情も励ましもしたくない。平和な国に生まれ育った私が、言えることなんて、薄っぺらいだけだ。



目の奥が熱くなってくる………ダメだ、私が泣いては、ダメ。

ギュッと奥歯を噛みしめて堪える。





居心地の悪い沈黙を破るように、ロベール先生が小さく息を吐く。



「あまり時間もないから、周辺諸国の歴史を学ぶなら、ウィスタリアとシュタインに絞った方が効率がいいよ」


「え」


あ、まただ。

顔を上げると、そこには、何事もなかったかのような.、いつもの笑顔があった。

軽く頭を振り、その笑顔にならって口角を上げ、平常心を取り繕う。



「………ありがとうございます。そうします」


「じゃあ、また明日よろしくね」


「はい」


ペコリと頭を下げて、静かに美術室を後にした。

そうするしかなかった。私には、これ以上聞く権利も、受け止める勇気もないのだから………。







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