第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
思いきって体勢を変えてみることにする。靴を脱ぎ、横向きにソファに座り、体育座りの要領で両脚を曲げてみる。近くにノートと資料集を置き、教科書とペンを持ち、膝に肘を乗せる。
「こんな格好でもいいですか?」
「いいよ。疲れたら脚を伸ばして。気楽にね………勉強するには、少し暗いかな」
そう言いながら、隅に置かれている少し大きめのシンプルなスタンドライトを持ってきてスイッチを点ける。
その光は、さながらスポットライトを浴びているかのようで、なんとなく気恥ずかしくなる。
眩しげに目を細めた仕草を見逃さなかったのだろう、横についているツマミを捻り、明かりのトーンを落としてくれた。
「これでいいかな」
「ちょうどいい感じです」
「君は勉強に、俺は絵を描くことに専念することにしよう。ただし、質問がある時はいつでも言って。お互い気遣いなしでいこう。じゃあ、始めようか」
ニコリと優しい笑顔で正面の椅子に腰掛けたロベール先生。
けれど、キャンバスに目を向けた途端、真剣な表情になった。
絵筆を握るその端正な横顔に思わず見とれてしまいそう―――。