第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
ロベール先生は、持っていた絵筆を置くと、こちらにゆっくりと向き直った。
「あの、ですね、ミシェルとさっき話したんですけど」
何て言おうか考えがまとまっていないけれど、とりあえず話し出す。
「俺の事、おせっかい過ぎてうっとうしい、なんて言ってなかったかい?」
「えっ、いえ、そこまでは………っと、いやその………」
確かに、そんなニュアンスだったけど~~~本人を目の前に『うん』とは言えないっ。
私が一人で慌てふためいている様子を、おかしそうに目を細めて笑っている。
「ゼノもミシェルも、ほんの子どもだった頃から知っていてね。俺にとっては、なんら変わらない気がしてしまって。つい、あの頃と同じように接してしまうんだ」
「そうだったんですね。私は、てっきりロベール先生とミシェルは………」
そう言いかけて―――ハッとして口を押さえる。
二人が恋人同士だと思い込んだなんて恥ずかしい勘違いを、わざわざ暴露する必要ないよね!
「あ、いえ、すごく仲がいいんだなって感じました」
「仲がいい、か。年頃の子と接するのは難しいよ。でもマイン先生は、ミシェルとうまく話せたようだね」
「うまく話せたかどうか定かではないですけど。まあ、それなりに」
スカートの上からポケットの中のソレを、そっと握りこむ。