第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
~交換条件~
ポケットの奥にソレを押し込む。
ちょっとやそっとじゃ出てこないようにしっかりと奥深くにね。
進路指導室を出て、その足で美術室へと向かう。
ロベール先生、もう戻っているかな。
美術室のドアをゆっくりと開く。
がらんとした教室の隅。イーゼルに立てかけたキャンバスを前に、こちらに背を向けて座っているロベール先生の姿が飛び込んできた。
まだ何も描かれていない真っ白なキャンバスをじっと眺めているようだ。
その佇まいに、声をかけるのをためらってしまう。
………構想中なのかな?
と、気配を察したのか、ロベール先生が急に振り向いた。
とっさにドアの後ろに身を隠してしまう。
「マイン先生?」
………。
う~~~っ、何をやってるんだろう、見つかってるじゃん!
観念してドアを開け、中へと入る。
「ごめんなさい、何か邪魔しちゃったかなとか思っちゃって」
「昨日も思ったけど、マイン先生は、気を使い過ぎだよ。俺にはもっと楽に接してくれてかまわないよ」
「………ありがとうございます。じゃあ、なるべくそうします」
ゆっくりと傍らの椅子を引き寄せて、ロベール先生の横に腰掛ける。