第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
と、静かな口調でミシェルが切り出した。
「ロベールさんは、ゼノ様の家庭教師をしていました。私は、ゼノ様とは幼なじみです。だから、必然的に昔からの知り合いです。小さい頃から何かと世話を焼いてきてました。今でもそれが続いているというのが現状です。この答えなら満足ですか?」
「知り合いだったんだ。あの、それって、つまり………」
「話は以上ですよね?」
呆然としている私をよそに、ミシェルは静かに立ち上がってドアへと向かう。
「え、ちょっと待って」
引きとめようと慌てて立ち上がる。
ガタンッと椅子が大きな音を立てた。
そのまま行ってしまうかと思われたけど、ドアの前に立つと、クルリとこちらへ振り返った。
「ソレ、あげます」
「え?」
「私より、マイン先生の方が需要がありそうだから」
口の端に微かな笑みを浮かべ、それだけ言うとミシェルの姿はドアの向こうに消えていった。
シンとなった部屋に取り残されて。
しっかりと握っていた手の平をゆっくり広げる。
「はあ!?需要って!?何言ってるのよっ!!」
思わず、一人で大きな声で叫んでしまっていた―――。