第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
「………ソレを落とした時、ロベール先生に呼び止められました。恥ずかしかったので、私のではないと言い張りました。ただそれだけです」
早口に簡潔に、そう答えてきた。
これで話を終わりにしたい、何も追求されたくないといった強い意思がヒシヒシと伝わってくる。
口裏を合わせたかのように、ロベール先生と同じことを言っている。
やっぱり、ロベール先生とミシェルって………。
「あのね、二人の会話聞こえちゃったんだ。もちろん誰かに言いふらしたりとかしないよ。たまたま、あの場に居合わせたのが私だったからよかったけど、他の人に知られたらまずいよね?だから………」
二人が交際していることに気づかれないよう学園内では気をつけて、と続けようとすると、ミシェルが首を傾げながら顔をしかめて、大げさにため息をつく。
「マイン先生って、恋愛脳なんですね」
「ん?え………何?恋愛、脳?」
聞き慣れない言葉に戸惑う。
「なんでも恋愛に結びつけて考える人、そういう方面にばかり関心のいく人のことです」
なんでも恋愛に結びつける、恋愛にばかり関心のいく………って、なんだかこの言い方って、遠回しに見下してるよね?
「あのさ」
言い返そうとして身を乗り出す。