第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
コン、コン。
「失礼します」
ノックの音とともに、ドアが開く。
顔を上げ、壁から離れてまっすぐ立つと、目の前にいる不機嫌そうな顔つきをしたミシェルを見据える。
「何の用ですか?テスト勉強があるので、手短にお願いします」
私が口を開く前に淡々とした口調でそう言うと、後ろ手にドアを閉めて、その場に立ち尽くしている。
「手短にしたいのは、私も同じ。お腹も空いてるし。だから、まず座ろうか」
椅子に座りながら、ちょいちょいと手で指し示し、ミシェルにも正面の席に座るよう促す。
渋々といった様子で腰掛け、私達は向かいあった。
………何て切り出したらいいかな。
慎重に言葉を選ぼうと考えを巡らす。
意を決して、手の平の上にソレを置き、差し出してみる。
―――と、すかさず伸びてきた手。
その手をうまくかわし、再び拳に閉じ込める。
私の振る舞いに、からかわれたと感じたのか、ムッとした様子で手を引っ込めるミシェル。
それから、まっすぐに見つめ返してきた。