第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
その後は、何事もなく順調に時間が過ぎていった。
回答用紙を集め終え、教室を出ようとして、チラリとゼノ様の方を見やる。
お礼を言いたいけど、周りに皆がいるし、また蒸し返すことになりかねないから、黙っていた方がいいかもしれない―――。
と、ゼノ様が視線に気づいたのか、顔をあげた。
遠目からでもしっかりとわかるように、私を見つめて大きく頷いてくれた。
その意味を理解して、軽く頭を下げて教室を後にする。
―――三時間目の試験監督も終わった。
今日のテストは、これで終了だ。
はあぁ~~っ。
進路指導室の壁に寄りかかって目を閉じ、大きな深いため息をつく。
二時間目の大失態が嫌でも蘇ってくる。
それから、生徒の一人からテスト期間中は採点以外仕事がないと指摘されたことも。
頭から離れない。
確かにそのとおりだけど、先生だって息抜きしたっていいでしょ!?
だからってね、男遊びするわけないじゃん!
散々な言われようだった。
生徒達にナメられてるってのはわかってる。先生らしい威厳が備わっていないことも。だから、実力で見返してやるしかないのだ。
やっぱり、あの時、怒鳴りつけてやるべきだったと今になって思う。
土壇場に弱いんだよね。自分が情けなくなる。
はあっ。
もう一度、ため息をついて。
―――私一人だったら収拾つかなかっただろう。
ほんと、ゼノ様に感謝だ。