第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
ザワザワと興味本位の言葉が飛び交う。
ちょっとぉ。皆、好き放題言ってるし!
マズイ、マズイ、マズ過ぎる~~~っ!!
なんとか鎮めないと。うまい言い訳を考えないと―――でも、浮かばないっ。
テスト中だってのに、どうしよう~~っ!!!
焦り過ぎてしまって、この状況をなんとかする手立てが思いつきそうにない。
そんな中―――。
ゼノ様が、静かに立ち上がった。
皆の視線が、私からゼノ様へと移る。
「マイン先生は、テスト明けから教える教科が増えると聞いている。女子の保健も担当することになっている。おそらく、指導を受けた時に教材としてコレを渡されたのだろう」
ゆっくりと歩いてきて、男子生徒の手からソレを取り上げ、大きくかざしてみせた。
「保健の授業の時に渡されたモノと同一だ」
そうして、ソレを私へと差し出した。
なんと言っていいか言葉に詰まってしまった。ただ、うんうんと頷きながら受け取り、そっとポケットに戻す。
ゼノ様が何事もなかったかのように席に戻ると、それにつられるように皆もテスト用紙へと目を落とし、再び静寂が訪れた。
ほっと胸をなでおろし、息をついた時、一瞬、ミシェルと目が合ったように思えた―――。