第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
教室内をゆったりと歩き回りながら、生徒達の様子を伺う。
そうして、今朝のロベール先生とミシェルを思い起こす。
二人は、何の話をしていたのだろうか――――――?
――――――っ!!!
突然に、ピッカーンッと閃いてしまった!!
うっわ、どうしよっ。
思わず叫びだしてしまいそうになって、両手で口を覆う。
………ミシェルの相手って、もしかして、ロベール先生!?
そうなると、今朝の会話も納得がいく。
『………君から言ってくれなければ、俺は、行動を起こすわけにはいかないんだよ』
『何それ?そんなのただの操り人形じゃない!!』
『そう言われても仕方ない。俺は、どのみち君のいいなりだ』
それって、ミシェルの方から迫ってくれなければ、手を出すわけにいかないってことだよね?先生と生徒だし。ロベール先生から求めたら犯罪になりかねないもんね。
それから、こうも言ってた。
『自分自身ってのがないの?そんなんで心を掴めると思ってるの?これじゃ、また同じことを繰り返すだけよ。もう諦めたら?ロベールさんには、無理よ』
『いや、俺は諦めるつもりはない』
………同じことって何だろう?昔つきあっていた人がいたけど、ロベール先生が奥手なせいで別れたとか?
いつになく力のこもった真剣な口調で、諦めるつもりはないって言ったロベール先生。
それだけミシェルに本気なんだろうな―――。
………なんだろう。心の中が霧に包まれたかのようだ。
ロベール先生とミシェルが恋人同士と知って、なんでこんなに落ち着かない気持ちになるんだろう。