第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
二時間目。
三年一組の生徒に英語のテストを配布していく。
あれから職員室に向かう途中で三年一組の生徒を見かけたので、ミシェルに放課後、進路指導室に来るよう伝言を頼んだ。
このクラスでの試験監督があるってわかっていたら、そんなこと頼む必要はなかった。直接言えばよかった。優等生のミシェルが指導室に呼ばれるなんて不名誉なことだろうから、なるべく知られないように配慮したかったけど。
そう思っても、済んだことは仕方ない。
ミシェルへと視線を向ける。
容姿端麗、成績優秀、品行方正。生徒会副会長も務めていて、先生達からの信頼を集め、生徒達からも尊敬されている。
スクールカーストの上位、いや、トップに君臨しているといっていいだろう。
でも、特定の仲のいい友達がいるような感じはない。
いつだって、クラスの取り巻きの女の子達に囲まれていて、それ以外の生徒は、彼女に近づくことさえ、ためらわれる。
男の子にも人気があるようだけど、まさに『高嶺の花』といった感じで、遠巻きに見ているだけだ。
そんな彼女だから、『コレ』がどうしても結びつかない。
つきあっている相手がいるってことは、確かだよね?
それって、誰なんだろう………。