第1章 皆でお祝い♪ ゼノ様バースデー!
な、中身って………。
ゼノ様の、いつになくイタズラっぽい眼差しが、私の身体を火照らせていく………。
ゆっくりと、ゼノ様の瞳が近づいてくる。
私も、じっとゼノ様を見つめ続ける。
ドキドキと鳴り止まない鼓動が、更に早くなっていく………。
ゼノ様の吐息を唇に感じると同時に、目を閉じる。
触れ合う、唇。
優しくて、温かい。
そして………ゆっくりと、離れていく唇。
私は目を開け、ゼノ様を見つめる。
「ゼノ、様………」
ゼノ様は、首を傾け、角度を変えて、再び私の唇に軽いキスを落とす。
そして、もう1度………。
「………っん………」
甘美な刺激に、頭の中がクラクラとする。
―――ずっと、こうしていたい。
ゼノ様………。
―――あっ!
何度目かのキスの途中で、ハッと我に返る。
「あ、あの、ゼノ様!」
「物足りないか?」
「………っ!」
「それなら………」
再び、顔を近づけてくるゼノ様。
「………あ、あのっ!そうでは、なくてっ!」
私は後ずさり、ゼノ様との距離を取る。
「来ていただきたい所が、あるのですが………」
「今、か?」
そう言いながら、手を伸ばし、私の唇を指でなぞるゼノ様。
―――っ。
この、心地良い刺激に負けてしまいそう………。
私だって、もっとこうしていたいけど。
ゼノ様の誕生日パーティーの準備を、皆でしていて。
ユーリとアルバートも待ってるから―――。
「はい………。今、です」
きっぱりと、そう言いきる。
唇をなぞり続けるゼノ様の手を、惜しみがらゆっくりと取って制して―――。