第1章 皆でお祝い♪ ゼノ様バースデー!
~パーティー~
先ほどまで飾り付けをした、誕生日パーティーの会場に、ゼノ様を案内する。
「どうぞ」
私は扉を開けると、ゼノ様を部屋の中へと促す。
そして、私もワクワクしながら、後に続く。
………あれっ?
―――部屋には、誰もいない。
てっきり、ユーリとアルバートがいると思っていたのに。
ええっと…さっき、2人は、なんて言ってたっけ?
『料理は、俺とアルが運んでおくから、マイン様は、着替えてきたら?』
そう、言っていたのだから。
テーブルを見回す。
………料理は、運び終わってるみたいだけど。
私は、そわそわと扉の方に向き直る。
「すごいご馳走だな」
背後から、ゼノ様の声が響く。
「あ、はい、ユーリとアルバートと一緒に作り………っ!」
不意に、後ろから、ゼノ様に抱きしめられる。
「お前をデザートに、と言いたいところだが………」
そう言いながら、私の耳のふちを唇で挟む。
その唇は、ゆっくりと下降して、耳たぶを優しく噛まれる。
「………ぁ」
「待ちきれない………オードブルとして、今すぐ、いただくとしよう」
耳たぶを口に含んだまま、そう囁く、ゼノ様。
「………っん、あぁ………っ」
熱い舌が、私の耳の中に入り込み―――。
クチュリ。
クチュ、クチュ。
優しく動き回るゼノ様の舌は、私の鼓膜を刺激し続ける。
「………ぁ、駄目、です。そん、な………」
身をよじって腕の中から抜け出そうとするも、ゼノ様は更に力を込めて私を抱きしめ、耳全体を口に含む。
「………っ、はぁ………あぁ、ん………」
私は、ゼノ様に向き直ると、シャツの胸元にすがりつく。
ユーリとアルバートが戻って来るから、という思いと、もうこのままどうなっても構わないという思いが交錯する―――。
先ほどのキスのせいで、私の身体は火照りがおさまっておらず、むしろ加速してるかのよう―――。