第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
「あの、ロベ………」
いたたまれなくなって、思いきって口を開く。
けれど、言いかけた言葉は、かき消されてしまった。
「昔、若く未熟なせいで、国を滅ぼしてしまった王がいたんだ」
………?
突然、何の話だろう?
話の腰を折ってしまいそうな気がして、相槌を打たずに、じっと聞き入ることにした。
「リアリン市国も同じような末路を辿ってしまうのではと懸念されていた。学園長が交代して今まで通りの平和を保てている………これでよかったんだ」
―――リアリン学園長と国を滅ぼした王を、重ねて見ているってこと?
話の流れが掴めず、じっとロベール先生の横顔を見つめ続ける。
「ああ、ごめん。マイン先生は、リアリン学園長を信頼しているんだね」
どこか悲しげに目を細めて、呟くように言う。
「信頼してるっていうか………私には、教師として雇ってもらった恩がありますので」
ルイやシドが推してくれたといっても、最終的に決定したのは、もちろん、リアリン学園長なのだろうから。