第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
「最初、風景画かなって思ったんですけど、これって抽象画ですよね?」
「建国祭の記念にと依頼されていてね」
「すごい名誉な事ですね!穏やかなのに力強い生命の息吹を感じられるっていうか、すごく心を打たれました。建国祭に相応しい素晴らしい絵ですね」
「素敵な感想をありがとう。今年は、リアリン学園長が芸術に特に力を入れていてね、俺を推してくれたんだ」
「じゃあ、リアリン学園長にも早くこの絵を見てもらいたいですよね」
「………」
「建国祭まで戻ってこられるといいですね」
「………」
「………ロベール先生?」
そうだといいね、とか、どうだろうね、とかいったありきたりでも返答が来ると思っていたのに、一向に言葉を発せられる気配がない。
ロベール先生は、悲しいのか困惑しているのか、よくわからない複雑な表情を浮かべて絵を眺めている。
絵を見ているというか………もっとずっと遠くを見ているように感じられる。