第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
わ、キレイな人。
ピンクの髪に同じ髪色のドレスを着た女の人が、人懐こい朗らかな笑顔を浮かべている。
ゼノ様のお父さんと一緒に描かれているってことは、この人はゼノ様のお母さんなのかな?
けれど、その考えは、何かしっくりしない。
王妃様には見えないって言うか………なんて言ったらいいのかな、この女性がすごく若く感じられるからそう思うのかもしれないけれど。
それからもう一つ。この人の笑顔を見ていると、なぜか、どこかで会ったことがあるような気がして仕方ない。
………知り合い、とか?けれど、そんなわけない。
だって、これ、ゼノ様のお父さんが若かった頃の古い絵だろうし。
あ、そうか、誰かに似てるんだ。えっと、でも、誰だろう?
頭の中で思い起こしてみる。何か、ここまで出かかっている感じなんだけど………思いつかない~~~っ!
「誰かいるのかな?」
遠くから響くその声にハッとして、急いで緩んだ紐をキャンバスに巻きつける。
まごまごしていると、準備室の入口にロベール先生の姿が見えた。