第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
何これ、すごい―――っ!!
思わず目を見張り、その場に立ち尽くした。
圧倒的な存在感に目を奪われる。
気づけば見開いたままの目の奥がジンとしてきていた。
ハッとして、パチパチとまばたきを繰り返す。
しばらく見入ってしまっていた。そうして、改めて目を向ける。
両手を広げて端に届くか届かないかくらいの大きさのその絵は、立派な額縁に収まっていて無造作に壁に立てかけてある。
表面がテラテラと光り輝いているので、まだ絵の具が乾ききっていないようだ。
これ、ロベール先生が描いたんだよね?
………そうだ、ロベール先生に用があって来たんだった!
キョロキョロと辺りを見回すと、奥にもう一つ部屋があるのに気づく。
準備室と書かれたその部屋は、大きくドアが開け放たれている。
「ロベール先生います?」
おずおずと声をかけ、中へと足を踏み入れる。
奥行きのある部屋には、天井まで届く棚がずらりと並んでいて、そこにキャンバスがギッシリと収められていた。
照明が遮られているせいで薄暗く、ほこりっぽさと古い油絵の具の独特の匂いが満ちていた。
すごい数だな。全部でどれくらいあるんだろう。
周囲を眺めながら少しずつ奥へと進んでいく。