第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
―――そうだ!!
こういう時は、やっぱり、ロベール先生が一番だよね!
ロベール先生は、博識なうえに物腰が柔らかで、いつでも優しく相談にのってくれる。
以前、ジル教頭に呼び出されて落ち込んでいた時に励ましてくれたっけ。
シドが怪我をした時に駆けつけて治療をしてくれたこともあった。医師免許も持っているというから驚きだ。会う度に、シドの容態の経過をこっそり教えてくれていた。
今回の古典のテスト問題作りのアドバイスもしてくれたんだよね。
頼れるお兄さんといった感じだ。
放課後は、いつも美術室にいるって言ってったけ………。
帰り支度を済ませ、美術室のある西棟へと向かう。
学園の外れの西棟は、静かで物音一つしない。
コツコツと、私の靴音だけが廊下に響き渡っていく。
正面に見えてきた一番奥にある美術室のドアを開ける。
「失礼しまぁす」
小さく呟きながら、そっと中を覗く。
途端に、壮大な景色が目に飛び込んできた。
吸い込まれそうなほどの綺麗な色彩、暖かな自然豊かな情景がそこにあった。
一瞬で、感覚のすべてが惹きつけられてしまった。