第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
区切りのいいところまで採点を終わらせて、世界史の教科書に目を落とす。
落ち着いて読み進めていくと、思ったほど難しくはなかった。世界の大国の歴史と日本の歴史に関しては、知識の範囲内だ。ただ、日本も『他国』として取り扱われているので、視点の違いが戸惑うところではある。
日本が他の国と同じ場所の年表に並んでいるのが面白い。
基本的に世界史は、自国の歴史に沿って諸外国の歴史が述べられているから、リアリン市国の歴史と照らし合わせながら教えていくという形となる。
リアリン市国と関わりの深い国としてあげられるのが、同盟国のシュタインとウィスタリアだ。
私にとっては、さっぱり馴染みのない国である。
ウィスタリアは、近年、観光産業で注目を浴びている。シュタインといえば、かつては閉ざされた大国、軍事国家と謳われていたとしか知っていることがない。
地理的には遠く離れているというのに、リアリン市国のシュタイン、ウィスタリアとの結びつきが強固なものであるということは、容易に推測できた。
学園には、この二国出身の生徒が圧倒的に多いからだ。