第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
新たな使命がやってきた。このテスト明けから、教える教科が増えることになるようだ。
その準備期間を作るため、私の教科を初日にしたのだろう。
本当に、さまざまな要素を考慮して組んでいただいたようだ。
ジル教頭から、世界史の教科書と資料集を渡される。基本科目の世界史だ。
嫌な予感とともに、パラパラと教科書をめくってみる。
私が勉強してきた世界史とは、まるで勝手が違うみたい………。
「世界史は、基本的にはその国の歴史、関わりの深い国の歴史で成り立っています。ここはリアリン市国ですので、マイン先生が習った世界史とは若干仕様が異なるでしょうが」
「若干、なんてものじゃないですよね?全然別物なんですけど!?」
「おや、そうですか」
動揺しまくっている私とは対照的に、穏やかな表情のままのジル教頭。しかも、この状況を楽しんでいるかのようだ。
「意味わかってますか?まったく素人の私が教えるってことになるんですよ?」
「リアリン市国と密接な関係にある諸外国の歴史となると、おそらく、生徒の方がよく知っているでしょうね。貴女が教わることの方が多そうですね」