第36章 私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
私立リアリン学園!14時間目~ロベール~
~美術専科 ロベール=ブランシェ~
テスト期間が始まった。
合図とともに一斉に答案用紙に向かう生徒達。
教室には、紙の上を滑るペンの音だけが聞こえ、緊迫した空気が漂っている。
それにつられて、試験監督の私まで緊張で身体に力が入っている。
静かに小さな深呼吸をして、教室内を巡回していく。
こうして、今日の三時間のテストは滞りなく終了した。
ほっとしながら職員室の席に着く。
赤ペンをしっかり握ると、山積みの答案用紙に手を伸ばし、気合いを入れて丸をつけていく。
二時間目が古典だったので、今日から早速採点を始められる。
きっと、ジル教頭が配慮してくれたのだろう。
テスト期間中は午前のみ。その間は学園の食堂も休みなので、生徒達は宿舎で食事を取り、各自テスト勉強に励むのだった。
部活動などの課外活動も一切禁止されているので、校舎内は人の気配がない。
初日の教科担当の先生以外はだいたい帰ったようだ。職員室も閑散としている。
テスト期間中は当然ながら、授業の準備をする必要がない。今日明日で頑張って採点を終わらせたら、のんびりできそう!
学生の立場だったら大変なテスト期間も、先生となった今は、ちょっとした骨休めってとこに早変わりだよね。