第35章 私立リアリン学園!~レイヴィス~ 情熱編
「ちょっとした冗談のつもりだった。そんなに怒るとは思ってもいなかった」
レイヴィスの手が、私の頬に触れそうな距離に伸びてきたので、思わず後ずさる。
ちょっとした冗談………私、またからかわれたんだ。
なんて答えていいかわからない。
「なあ、機嫌直して?」
「………」
困った顔をして頭をかいてから、ふぅと小さく息を吐くレイヴィス。
「悪かった。なかったことにして」
なかったことにして、なんて………そんな簡単に言うの?
「今日は古典だっけ?」
そう言いながら椅子に座り、鞄から教科書を取り出すと、さっさと補習の準備を始めている。
―――切り替えが早すぎない?
昨晩、私がどんな思いでこの本を読んだと思ってるんだろう―――!!
私の怒りは、最高潮に達してしまった。
バ―――ンッ!!!
勢いをつけて本を机に叩きつける。
驚いてこちらに目を向けたレイヴィスの横顔。
軽く眉をしかめていて………明らかに面倒くさい女だと思ってることが伺える。
いいもん、そう思いたいなら思えばいい!
「なかったことになんかしないし!レイヴィスが言ったんだよ?勉強してこいって」
『しっかり勉強してきて。明日、成果見せてもらうから』
昨日の言葉が、頭の中で繰り返される。