第35章 私立リアリン学園!~レイヴィス~ 情熱編
~成果~
「どういうこと!?」
進路指導室のドアが開いてレイヴィスの姿が見えた瞬間、本を片手に勢いよく詰め寄る。
「何、この本!何の冗談?」
レイヴィスは、私の剣幕に押されながらも片手で制して、なんとか荷物を机に置いた。
そして、からかい混じりの笑みを浮かべながら、こちらに向き直る。
「勉強してきた?」
「私は音楽科の四季報だと思ってたんだけど!?」
「そうだろ」
私とはまったく正反対なレイヴィスの涼しい顔つきを見ていると余計に腹が立ってきて、声を荒げる。
「表紙だけじゃん!ちょっとぉ、どういうつもり?からかうのもいいかげんにしてっ!!!」
「表紙が一緒だから渡し間違えた」
そうして、同じ表紙の本を鞄から取り出す。
「間違えた?そもそも、なんだってこんな本持ってるわけ!?」
「それは、友達から預かってた方」
「………友達?」
音楽科の四季報のブックカバーを持ってるってことは、同じオケ部か音楽科の人。本の内容からして、その友達は、女であることに間違いない。
こんなキワドイ内容の本だということをお互い認識してるってことだよね?
一体、どういうやり取りでこの本を預かったのだろう―――考えても、まったく思いつかない。
どっちにしても相当な親しい間柄ってことだよね?
レイヴィスにそんな女友達がいたなんて………。
少なからずともショックを受けた。