第35章 私立リアリン学園!~レイヴィス~ 情熱編
始めはドキドキものだったけど、補習が進むにつれ、いつのまにか教えることに夢中になっていた。
一瞬の静寂に、カチンと時計の針の音が部屋に響いた。
あっというまに三十分が経過していた。
「日本史は完璧だね。もう教えることないよ。明日から古典を教えるね」
後片付けをしながらカレンダーに目を向ける。
毎日日本史と古典を交互に教えてきて、今日、日本史は仕上げを終えた。古典もほぼ教え終わってはいるけれど、三日後のテスト本番まで二日ある。
明日は何を教えよう?帰ったら理解度チェックの問題でも作ろうかな―――。
一人であれこれ考えていると、急にレイヴィスのクスッと笑う声がした。
「えっ、何?」
「なんか、先生の顔してる」
「は?ケンカ売ってる?」
「なんでそうなるんだよ。ほんと、変なヤツ」
レイヴィスは、おかしくて仕方ないといった調子で、身体を折り曲げて肩を震わせている。
「ちょっとぉ、どういうつもり?あんなコトしといて、急に補習始めてとかそんな簡単に気持ち切り替えられるわけないじゃん?」
「ふーん、じゃあ、イヤラシイコト考えながら教えてたんだ?」
「殴るよ!?」
私だけこんなにアタフタしていて、レイヴィスは涼しい顔してるなんて!!
怒りと恥ずかしさがごっちゃになって、全身が熱くなっていく。