第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
それに対して、ステージ上では鬼、降りればグダグダのオザワセー部長。こんな人とコミュニケーションとれる部員なんて一人もいやしない。ユーリは、その間に立って、このオケ部をまとめてくれているのだ。
一緒に仕事をしていくうちに、その一生懸命さと人柄に惹かれて、いつのまにか好きになっていたそうだ。
そのあからさまな態度は、周りのみならずユーリ本人でさえ知るところとなる。ただでさえ、変人扱いされているというのに、更に輪をかけてしまっている。
ユーリからすると、相手は先輩だし、立場上、無下に断るわけにもいかず、うまくあしらい続けてきた。
それなのに、ここにきて、デートの誘いとは………。
ここで、俺は何て答えたらいいんだよ?こんな不毛な恋でも、応援してるとでも言えばいいのか?それとも、親切に現実をわからせてやるのか?
どちらかを選択しろと言うなら、もちろん後者だ。
………というか、なんで俺が最後通告を下さなきゃいけないんだよ?そんなの御免だ。