第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
………。
その時の光景を思い起こしているのか、どこか遠くを見て浸っている。めちゃくちゃ顔の筋肉緩んでるし。
「よかったですね。で?第二段階は、何だったんすか?」
「ああ、それは、『プレゼントをする』だった。最初は、そんなの受け取れません~って控え目でさ。けど、最終的には満面の笑顔で受け取ってくれたんだ」
プレゼント、ね。
つい、先日のことを思い浮かべる。
ヨンディバのチョコを大事そうに抱え、何度も深呼吸しながら渡しに行った部長。
そして―――それを、作り笑いで受け取ったユーリの姿。
「だから、次に進んだんだ。第三段階は『デートに誘う』だ」
………マジで、頭がズキズキしてきた。
一応、言っておく。この人、オザワセー部長、れっきとした男。それでもって、当然といや当然だが、ユーリも、もちろん男だ。
ユーリは、俺がオケ部に入る少し前にマネージャーになったそうだ。新人とは到底思えない仕事っぷりで、業務のみならず雑務さえも巧みにこなしていく。
小動物のように人懐っこく、気さくで愛くるしいと評判だ。女子だけでなく男子にも人気がある。ちまたでは、アイドル執事と呼ばれてる。