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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第5章 私立リアリン学園!序章




~お客様~





更衣室でメイクを直しながら、私は、さっきの出来事をバイト仲間のコに愚痴る。

「あー、わかるー。ティッシュ配ってるとあるよね~~。受け取ってもらえないとヘコむしー。あ、断固拒否!って人もいるしね」

彼女は、マスカラを塗る手を止めて、顔をしかめる。

私は、クルクルと指を回し、彼女にメイクを再開するよう促しながら、なおも話し続ける。

「ティッシュ配りしていると、ほんといろんな人がいるよね。でも、まあ、あんなふうに言われたのも、初めてじゃないし………」

嫌な思いしたことも、それなりにあるけど………。

「でも、もう一人の人は、優しかったんでしょ?」

「あー、うん、そうなのよ。とにかくね、もう、その二人が正反対で。天使と悪魔か!?ってくらい、言う事が真逆なんだよね。そんな二人がオトモダチって、スゴイなって思って………」

「ねえねえ、その二人ってイケメンだった?」

彼女が、私に向き直ってそう聞く。

「………イケメンって?………どうだったろう?………よく覚えてないなあ」

私は、首を傾げる。

「もー、リリカちゃんってば、そこが肝心なんじゃん!」

って、そう言われても………。

私は、ぼんやりと二人の容姿を思い浮かべる。

癒しの彼は、あの独特の雰囲気からして絶対イケメンだよね。

あの俺様男は………目つきは悪いわ、態度は最悪だわ、いいトコなし!

でも、見た目は悪くない、のかも?

けっこう整った顔立ちしてたし………。

う~ん、まあ………イケメンっていえばイケメン、なのかも?

………っ、というより、とにかく、イケメンって言葉自体が、よくわかってないんだよね。

顔がよければイケメン?

でも、どんなにカッコよくても性格悪いのが滲み出てるような人って、イケメンって言うのかなあ………。

―――定義が、わからないなあ。

私は、頭の中がゴチャゴチャになった気がして、フルフルと首を振る。



「あ、もう時間だよ。リリカちゃん、準備できた?私、先行くよ?」

「嘘………っ!やばっ………私も行く!」

いつのまにか私の方が遅れてて………慌てて化粧道具をしまい、更衣室を出て、カフェへと向かう。



さ、お仕事の始まりだ!







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