第5章 私立リアリン学園!序章
仕事場のカフェに足を踏み入れると、途端にワッと賑わいを感じる。
お、今日は、けっこうな人数のお客様がいる~。
私のテッシュ配りの効果かな?なんて。
それはさておいても。
カフェ内は、いつも華やいでいる。
メイドの女のコの笑顔と、その笑顔に癒されているお客様の笑顔。
幸せの相乗効果みたいで。
ほっこりとした、温かさに満ちた、この空間が、好き。
さて、今日も忙しくなりそうだな。
空いている席を確認しつつ、入口へと向かう。
次のお客様を出迎えなきゃ。
「お帰りなさいませ、ご主人様♪」
私は、訪れたお客様に向かって、満面の笑顔で、そう声をかけた。
けれど、入って来た人は、入口付近で立ち止まってしまっている。
………あー、よくいるんだよね。
初めてさん、かな。
メガネをかけていて、いかにも真面目君、みたいな風貌の背の高い男の人は、立ち止まったまま、店内をじっくりと見渡している。
「ほらあ。恥ずかしがってないで、入ろうよ?進めー、進めー」
そう言いながら、真面目君の背中を後ろから押している人がいる。
真面目君は、お友達と来たんだな。
けど………乗り気じゃないみたい、だけど。
表面だけかな?
私は、笑いだしたくなるのをこらえて、再び声をかける。
「あの、どうぞ?うちは、どちらかというと普通のカフェに近いですし。そんなに、かしこまらなくても大丈夫ですよ」
私は、安心させるように言い、店内へと促す。
「だよね?表通りのすっごい萌え萌えには、ちょっと入りづらいけど、ココならって思って」
そう言って、後ろにいた男の人がひょこっと顔を出した。
―――っ!!!
クリクリとした大きな瞳が、強烈に印象的な彼。
うわっ………カワイイ!
なんていうか………アイドルみたい。
その、かわいらしい容姿の彼に、呆然としてしまう。
と。
次の瞬間、ハッとなって、慌てる。
「………っ、あの、どうぞ、こちらへ!」
私は、二人を席へと案内する。