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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第5章 私立リアリン学園!序章




そんな私の頭上から、別の人の声がする―――。



「女の子にそんな言い方、失礼だよー、ねー?」



目つきの悪い彼の言葉を遮って、連れの長身の男の人が、文字どおり私達の間に入って来て柔らかく微笑んでいる。

あ、なんだか癒しの雰囲気を持った人―――。

泣きそうになっていた私にとっては、まさに救世主の存在だ。

首の後ろに手を置いて、穏やかな顔つきで私を見ている。

ニッコリと笑顔を向けられると、つられて私も笑顔になってしまう。



「お前、何ヘラヘラしてんだよ………こんな奴に、どんな言い方しようと俺様の勝手だろ」



目つきの悪い彼、前者は私に、後者は癒しの彼に向かって言い放つ。

………うっわ~~。

この言い方!

この人、自分のこと俺様、って。

ずいぶん自信たっぷりなんだなあ。

………なんて、妙なトコに感心してしまって。

いやいやいや、ありえないわ!!

自意識過剰もいいとこ!



「ごめんねー。もっとお話していたいけど、もう行かないと遅れちゃうからー。ねー、これ、もらっていー?」



そう言いながら、癒しの彼は、私の持っているカゴからティッシュを一つ、手に取る。



「あ、どうぞ」



「ったく、誰のせいで時間ギリギリになったと思ってんだよ」



俺様男、癒しの彼に文句を言っている。



「あー、うん、ごめんー。俺が寝坊したせいですー」



そう言いながら、癒しの彼は、私に軽くウィンクすると。



「今度、モエ~ルに遊びに行くねー!リリカちゃん♪」



あ、私の名前………って、名札つけてるからか。

正確には、バイト用の名前だけど。

あの、ゆったりした笑顔に癒されるなあ。

なんて。

ほんわか、していると。



「コイツがいる店行ったって、どうせ、つまんねえだろ。よそ行こうぜ、よそ」



俺様男は、意地悪な笑みを浮かべて、皮肉たっぷりにそう言う。



―――ほんっと、やな奴!



「さすがにそれは言い過ぎでしょー。ごめんねー、口悪くて………」

「行くぞ」



癒しの彼が私にまだ言いかけているのに、俺様男は彼の肩を掴み、歩き出していく―――。





私は、二人が去ってからもしばらくは、ムカムカがおさまらなかった。







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