第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
バンバンバン―――ッ!
指揮者が譜面台を叩き、ものすごい音が響き渡った。皆は、ビクッとして演奏を止める。
というか、これだけ離れてる私だって、びっくりしたんだけど。
ビシリ、ビシリッとすごい勢いで、指揮棒で奏者を指差している。
「セカンド、十三小節目半音下がった。チェロ、出だしが遅れてる。フルート、リズム揃ってない」
そう口にしたのは、レイヴィスだった。
ダン、ダン、ダン―――ッ!!
そうだと言わんばかりに、指揮棒で譜面台を叩いて、頷いている指揮者。
辺りが、シンッと静まり返っている。
うっわ、何この緊迫感!?空気悪っ。
「パート練習で消化しておくべき箇所をここで指摘される方がどうかしてる。これじゃ、全体練習の意味がない」
レイヴィスは、表情を変えることなく淡々とした口調で続ける。
「偉そうに」
ボソリと、誰かがそう言った。それは、本当に小さな呟きだったけれど、確かに聞こえた。
ピクリと眉をひそめ、瞬時にその相手を捉え、鋭い眼差しを向けるレイヴィス。
「い、今まで黙ってきたけど、新参者のくせにこのオケ仕切るなんて、生意気なんだよ」
フルート奏者の一人が、意を決したかのように声を荒げる。