第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
思わず、身震いてしまう。
あ、なんだろう。前にもこの音色、聴いたことあるような気がする………。
そうか、思い出した。あの音楽会だ!
ルイに招待してもらった音楽会。日本、ウィスタリア、シュタイン三ヶ国の合同開催だった。午後の部の一番がシュタインの四重奏で、レイヴィスは、その第一ヴァイオリン奏者だった。
始まる前から観客席は期待に満ちていて、皆、レイヴィスを『ハルナイト大公』と呼び、賞賛していた。演奏が終わってからも歓声が沸き起こって拍手が鳴り止まなかったんだよね。
大公ってどれだけ偉いものか調べるの忘れてた。けど、きっとすごく偉いんだろうね。
そうか、あの音楽会でレイヴィスに逢ってたんだね。
ん?なんか………違うな。
私が観客席から見ていただけで、直接逢ってなどいない。
音楽会の時までレイヴィスのことを知らなかった。そして、その後も逢った覚えがない。
『この分じゃ、前逢ったのも覚えてないみたいだな』
それが、音楽会の時でないことは確かだ。
じゃあ、いつ逢ったんだっけ?
あれぇ?
………聞き違いだったのかな?