第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
「今度は尾行?」
「わ………っ、グッ」
背後から急に囁き声がして、驚いて大声を出しそうになりかけた。そうしたら、伸びてきた手で口を塞がれたのだ!
「しーっ。音楽鑑賞は、静かにって教わらなかった?」
口を塞がれたまま、耳元でまた囁かれた。
コクコクと頷くと―――ゆっくりとその手が離れていった。
「レイヴィス!?」
「こんなとこで何してんの?まさか、俺のストーカー?」
「………っ、そんなんじゃないよっ」
声を潜めて言い返す。
「でも、俺の後をつけてきた」
「これを落としたから、届けに来ただけ」
ムッとして、楽譜をつきつける。
「それ、探してたとこだった………そっか、ありがと。じゃあ、ストーカーは言い過ぎだな」
「ストーカーだなんてひどすぎる。うぬぼれるのもほどほどに!」
楽譜を受け取る反対側の手に、ヴァイオリンを持っているのに気づく。
「レイヴィスも、この………」
「ココ、どうしたの?」
お互いの言葉がかぶった。
言いながら、ツンッと額を指で小突かれる。
「痛っ!」
思わず声を上げてしまい、慌てて両手で口を押さえる。