第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
「あのぉ、私、急いでますので」
控えめにそう切り出されて、しまったと思う。
「ごめんね、引き止めちゃって。じゃあね」
急いでいるにもかかわらず、二、三度振り返り、ペコリと頭を下げながら去って行く彼女に手を振って見送る。
いいコだなあ。
と、疑問が沸いてくる。
………チェロ持って、どこに行くんだろう?
そう思ったら、知りたくてたまらなくなった。今さっき彼女が去って行った方向へ向かってみることにする。
ひたすら長い廊下を歩いていくと、重厚な扉の前に突きあたった。
ここかな?
扉に手をかけ、恐る恐る開ける。
バ――――――――――――ッン!!!
ひゃ、え………何?
扉の隙間からものすごい音が響き渡り、思わず肩をすくめる。
あまりの音量に一瞬驚いたけれど、よく聴くと、とてもきれいな旋律が広がっている。
ためらいながらも扉を開けていく。