第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
キョロキョロ―――。
辺りを見回す。
う~~、完全に見失った。
玄関の方に目を向ける。帰ったのかな?けど、ゲートを通るのにあの荷物抱えてたら、IDを出すのに手間取うだろう。その間に追いついてもおかしくない。
となると、まだ校舎にいるってことかな。
少し先に階段が見える。あそこから上に行ったかもしれない。
ダッと駆け足で階段へと向かう。
ひょこりと階段の先を見上げた、その瞬間―――。
ゴツンッと鈍い音と共に、強い痛みとめまいが訪れた。
「すみませんっ」
辺りがクラクラと揺れ、朦朧とする視界の中、女のコの声が聞こえてくる………。
「いっ、痛ぁ………」
意識が飛びそうになったけれど、なんとか我に返って、ジンジンと鈍い痛みのする額に手をあてる。
「大丈夫ですか!?」
あ、やっぱり女のコの声がする………そこには、心配そうな顔つきで覗き込んでいる女子生徒が立っていた。
「うん、大丈夫、だと思う。痛いけど」
目の前の彼女は痛がっている素振りがない。つまり、お互い頭ゴッツンコしたわけではないようだ。
じゃあ、私は一体、何に頭をぶつけたのだろう―――?