第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
「この分じゃ、前逢ったのも覚えてないみたいだな」
「え?」
レイヴィスがボソリと呟いた言葉が、よく聞こえなくて聞き返す。
「いや、なんでもない」
けれど、すぐに打ち消されてしまった。
「ねえ、どうしてアーサーの言いなりになってるの?」
「は?言いなりって?生徒会の顧問だから、仕切るのあたりまえだろ。学園にとっても重要な式典だし、生徒会役員が主体となって進めていくことになってるから」
なんだ。単なる生徒会役員のお仕事ってことか。
「このリストは、来賓の案内のためだけに使うの?」
まさか、要人を人質に取るとか、脅してお金を出させるとか―――そんなことまでレイヴィスにやらせようとしているのかもしれない。
「………他に使い道ないと思うけど?それより、補習始めて」
「あ~っ、そうだよね。すぐ始めよう!」
レイヴィスにとっては、どうでもいい話だったのだろう。勝手にファイルを見たことをそれ以上追求することもなく、補習を促される。
陰謀計画なんて、バカみたいな思いつきした自分に呆れてしまう………。