第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
「何勝手に人の物見てんの?俺のこと探ってる?」
「………っ、違うの。今朝、アーサーからこのファイルもらうとこ見てたから。その、アーサーが何を頼んだのかなって知りたくて」
「ふーん。それで?なんでニヤニヤしながら見てるわけ?」
「ニヤニヤって………そんな顔してないし!ねえ、これ何?来賓リストって、何に使うの?」
「当日、来賓の案内するから概要知っておいた方がいいって」
「どうしてレイヴィスが?」
「どうしてって。生徒会役員だから」
「え、レイヴィスって生徒会役員なの?」
「役員交代の時、お前、いたよな?」
「………いました」
あ~~~っ、思い出したあ!
アーサーが三人の転入生を連れて生徒会室にやって来た日のことが鮮明に蘇る。
突然、役員入れ替え宣言をされて。
他の二人の顔は、おぼろげなのに、どうしてレイヴィスだけ浮かんでくるんだろう?
そうだ、そういえば―――。
『レイヴィスか』
『お久しぶりです、ゼノ様』
ゼノ様と話してたんだ。それから、何て言ったんだっけ?顔見知りって程度ではないと決定づける一言―――。
『ゼノ様には、恩があります。けど、俺は、有益な方につく主義なので』
そうだ、こう言ったのだった。
レイヴィスもゼノ様と同じシュタインの出身だ。
その頃からゼノ様とは何らかの繋がりがあり、そして、恩を感じていたんだろうね。
それなのに―――。
『俺は、有益な方につく主義なので』
自分の都合のいい側に寝返りますって、堂々と恩知らずな発言をしたんだよね。