第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
「相変わずツレナイなー」
わざとらしく悲しげな顔をしてみせるけれど、瞳は笑っている。面白いオモチャでも見るような目つきだ。
直視しづらくて、視線を泳がせる。そうだ―――レイヴィスの去った方向に目を向ける。けれど、もうすでにその姿はなかった。
「そーいえば、レイヴィスの補習してくれてるんだって?ありがと」
まるで、私の視線の先を突き止めたかのような一言―――。
「レイヴィスの補習をすることに、アーサーからお礼を言われる筋合いはないと思うんだけど?」
「そっか、そうだね………っと、そろそろ行かなきゃ。じゃーね」
屈託ない笑顔を向けて、片手を上げて去っていく。
アーサーが『ありがとう』だって。
それに、あのファイル!
『期待してるから。しっかり頼むヨ』
渡しがてら、そう言ったのだ。何を託したのだろう?何をさせようとしているの?
………気になる。