第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
~不審~
次の日―――。
ふあ………。
学園に向かう道すがら、小さくあくびをする。
昨日は寝るのが遅かった。通常の授業に加えてレイヴィスの補習の準備が増えたので、やることが満載だ。特に日本史は、一番おぼろげな江戸時代末期。一緒に一から勉強するつもりで挑んでる。
校舎に入ると、廊下の隅にレイヴィスの姿が見えた。声を掛けようと思い、歩み寄る。
けれど―――。
あれ。一緒にいるのは………アーサー?
思わず足を止める。
………何を話しているのだろう?
ちょうど、レイヴィスに青いファイルを渡しているとこだった。
「じゃ~、よろしく。期待してるから。しっかり頼むヨ」
ニッコリ笑って、ポンッとレイヴィスの肩を叩くと、すぐにこちらに歩いてきたのだ。
う、わ、どうしよ。どっか隠れる場所………なんて、あるわけないっ。
あたふたしていると、すぐにアーサーと目が合う。
「あれ、マインじゃんー。久しぶりー。なかなか逢えなくて寂しかったんだけど。元気?」
「………昨日の職員会議で逢ってるんだけど」
「そーいうのは、逢ったって言わないんだよねー。こうして、二人っきりでってこと。ね、放課後デートしよっか」
………っ、私の髪をひと房手にして、弄んでるぅ。
「ほ、補習があるから………というか、補習がなくてもデートはしないけど」
一歩後ずさりして、距離を取る。アーサーの手から、サラリと髪がこぼれ落ちていく。