第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
―――こうして、今日からテストの日まで放課後一時間、進路指導室でレイヴィスに日本史と古典を教えることとなった。
レイヴィス=ハルナイト。
伯爵とアーサーと共に、この学園に来た転入生の一人だ。
全校朝会の時に四人の転入生も自己紹介していたけれど、よく覚えていない。二年二組では、一、二度授業をした程度だから、ほぼ全員の名前と顔を把握できていない。
完全なる初対面だ。もちろん、向こうは先生の私を知ってはいるだろうけど。
今、六時間目。進路指導室でレイヴィス用に小テストを作成している。担当変更となって空きとなったのは、補習の準備にあてるようにとのジル教頭の配慮だったのだ。
今朝は忙しくて手が回らず、変更の連絡が遅くなったそうだ。アルバートの件で、だよね。
ジル教頭は、どこまで知っているんだろう?伯爵とアーサーはこれからどうするんだろう?
………疑問に思うことは、たくさんある。けれど、今は補習の準備に専念しよう。