第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
「え、じゃあ、どうして転入生を受け入れたんですか?」
「………アーサーが強引に連れて来ましたからね」
ジル教頭が顔をしかめ、声を潜めて答える。
あ、そうか。伯爵とアーサーがこの学園に来た時に一緒に転入してきたのだった。学園的には、転入生を受け入れないことになっているのに、無理やり入れたってことなんだね。
「ですが、どのような経緯であれ、今はこの学園の大事な生徒であることには変わりありません。転入早々のテストの成績が赤点では、本人にとっても学園にとっても支障をきたします」
「事情はわかりました。けど、古典はいいとしても、私、日本史は専門ではないですよ?」
「ええ、承知しております。日本史の専科教師は、今回のテスト問題の作成担当ですので、補習をお願いするわけにはいきません。古典に関しては、マイン先生は、二年生のテスト問題には関与しておりませんよね。それに、貴方は日本人ですし、適任でしょう」
「そういうことなら。私にできる限り頑張ります」