第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
………て、手ぶらだ。
慌てて片手をスカートのポケットに突っ込む―――スマホとハンカチしかない。
胸ポケットにも手を差し入れてみるけれど、いつもの使い古したボールペンしかなかった。
リアリンマートに行ったと自分から言っておいて、何も買わずに帰って来たなんて不自然過ぎる!
あ~~、散歩してたってことにすればよかった!!
今更ながら、自分の言動に後悔。
ここを、どうごまかしたらいいのだろう………。
心の中で一人あたふたして―――気づく。
これって、どう考えても私の嘘を見破ってるってるってことだよね?つまり、宿舎から出てきたところを見てたぞって言いたいわけだ!?
これは、マズイ展開になりそうだ―――。
「ふーん。別に俺には関係ないけど」
彼は、そう小さく呟くと、もう振り向くことなくスタスタと行ってしまった。
あれ………?
脅されるんじゃないかと身構えていたのに。ちょっと拍子抜け。
今のって、私が男子宿舎から出てきたとしても何も言うつもりはないってことなのかな?
それとも、私が警戒し過ぎていただけ?
ま、いいか!
勝手にいい方に解釈しておこう。
おっと、それよりも、早く戻らないとお昼休み終わっちゃう!