第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
バチリ――ッ。
そんな感じで目が合ってしまって………けれど、すぐに逸らされた。
時間内に学園の外に出る生徒がいるとは思ってなかったから、ここで誰かに会うなんて想定外だ。
どうしよう。私が宿舎から出てきたのを見られていたかも―――!?
その男子生徒は、まっすぐにこっちに向かってくる。
「どこ行くの?」
校舎内に出てはいけないという規則はないから、注意する必要はないのだけど、あえて声を掛ける。
「宿舎に忘れ物」
彼は、歩みを止めることなく伏し目がちに短くそう言って、どんどんと近づいてくる。
「あ、私はね、リアリンマートに買い物に行ってきたとこで………」
………って、聞かれてもいない言い訳を始める。
スッとすぐ横を通り過ぎて行ったと思った瞬間、足を止めてこちらに向き直ったので、驚いて息を呑む。
「リアリンマートに行ってきたんだ?それで?何買ったの?」
さっきとは対照的に、ジロジロと私を不躾に眺めてくる。
「えっと」
急に聞かれて焦る。
切れ長の目の奥は、強い光を秘めていて、吸い込まれそうだ。
ジッと見つめられて、今度は私の方がいたたまれなくなって、視線を逸らす。
両の拳をキュッと握って開く。