第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
~転校生 レイヴィス=ハルナイト~
アルバートの部屋を出ると小走りで廊下を進み、エレベーターを降りる。
少し歩いた先にあるガラス扉の横に『モモ』のIDカードをかざし、広いエントランスを抜ける。入って来た時と同様、花々のいい香りが立ち込めている。
ウィンッと静かな音を立てて出入り口の自動扉が開くと、途端に熱い外気の流れと太陽の光を感じる。
脱出成功!
………なんて、敵陣に乗り込んだわけじゃないから、ミッション成功って言うべきかな。
とにかく、成功は成功だ!
緊張の糸が緩んで、ふうっと安堵のため息をつき、一歩外へと足を踏み出す。
と、急に通知音が鳴り響き、ポケットからスマホを取り出す。
学園からだ。午後の授業内容が変更になったようだ。五時間目は二年一組の音楽で時間割通り。六時間目の一年一組での数学が担当変更になっていて、空きになっている。
なんでだろう?
首を傾げながらスマホをしまう。
その時―――。
校舎から出てきた男子生徒の姿が目に飛び込んできて、ギクリと肩を震わせた。