第33章 私立リアリン学園!~アルバート~ 情熱編
「どうしたの、これ?」
「ネットオークションで競り落としました」
「ネットオークション!?」
思いがけない返答に戸惑う。
「メイド服なんて売ってるの?いくらだったの?」
「リリカ着用済みの制服ということで、すごい値になりました」
「え、私の名前まで出てたの?すごい値って………いくら?」
「………」
耳元で囁かれる数字―――。
「はあっ?冗談でしょ!?」
その金額に、飛び上がるほど驚いてしまった。
だって………。
何、その法外な金額!!!
「それ、詐欺じゃない?だって、これ、私の制服かなんて本当のとこなんてわかんないじゃん。ダメだよ、こんなのに騙されちゃ!」
「では、あなたの制服かどうか確認してもらえますか」
「確認って………そんなのわかるわけないじゃん?」
そう言いながら、アルバートの手から制服を受け取る。
見知ったメイド服。確かにモエ~ルの制服であることは間違いない。
―――あ。
思いついて、ポケットをゴソゴソと探る。
グイッとポケットを反転させて、引っ張り出してみる。
一番隅に小さなほころび。ずいぶん前からほつれていたけど、裁縫があまり得意じゃないし、そんなに気にならないかと思ってずっと放置していたのだ。だんだんほころびが大きくなって、細いリップクリームを入れてると落ちそうになるほどだった。
―――そして、そのほころびが、同じようにそこにあった。