第33章 私立リアリン学園!~アルバート~ 情熱編
「あ、こっちは制服ランキングなんだね」
話題を逸らそうと、次の雑誌を開く。
そこには、店ごとの制服が人気順に掲載されていた。
残念ながら、モエ~ルは圏外。赤やピンク、青に黒、色とりどりでそれぞれ個性豊かな様々なデザインのメイド服がずらりと並んでいる。
それにしてもすごい数。これだけのメイドカフェがあの街に存在するという事に改めて驚かされる。
「モエ~ルの制服かわいいのにね。ピンクのフリッフリでさ。圏外ってどうかしてるよ」
小さく隅の方に載っている見慣れたメイド服を指差して口を尖らせる。
「かわいすぎるのも難点です」
「やっぱりそう思う?ちょっと着てて恥ずかしかったもん。あ~、でも、もう一回着たいなあ」
「着てみます?」
何気なく呟いた一言に、驚きの言葉が返ってきた。
「え?」
「だから………着てみますか?というか、着てもらえますか」
「は?何言ってんの?」
アルバートは、おもむろに立ち上がると、奥にある備え付けのクローゼットに向かう。
クローゼットをゴソゴソして、やがて紙袋を持って戻ってきた。
そうして、ゆっくりと中身を取り出した。
中から出てきたのは、『メイドカフェ☆モエ~ル』の制服だった。