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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~




「夏休み中にカフェで会ったことは、覚えてますか?」


ごまかすような唐突な問い。けれど、すぐに何を言いたいかを理解した。



「ん?うん、もちろん。痛かったから、よ~く覚えてるよっ」


「あれは………っ、常に警戒を怠らないようにしていますので、つい………不審者扱いして、すみませんでした」


親友の結衣と飲みに行く約束をしていて、時間つぶしに入ったカフェでの事が思い浮かぶ。

そういえば、あの後、目が合った時、不自然な反応だった。



『なっ………、あなたは、もしや………いえ、なんでもありません』



驚いたように私を凝視して、そう言った気がする。



「もしかして、あの時、リリカだって気づいた?」


「もちろん気づきました。あなたは、まったく覚えていない様子でしたね。まあ、一度きりの客の事など覚えていられないですよね」


「私、人覚えるの苦手なんだよね。それなのに接客とか笑えるよね」


「別に笑いませんが………あの時から、薄々感づいてはいました。空想と現実は、別物なのだと。カフェにいたのはマイン、あなたであって、リリカではなかった」


「またそれ?」


「この話は、これきりにしましょうか。心の片隅に止めておく必要はありません。忘れてくれて構いませんから。いや、むしろ、そちらの方がありがたい」


決まり悪そうに目を伏せるアルバート。







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