第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
ふうっと、アルバートが息をついた。
話が終盤に差し掛かったのを感じる。途中で口を挟めるような雰囲気がなく、相づちを打つ隙間もなかったから、淡々と語り続ける彼をじっと見守っていたけれど。
さっきからモヤモヤとくすぶっている感情が、塊となってこみ上げてくるのを抑えるのに必死だ。
「俺が好きなのは、リリカです。でも、マイン、あなたではない」
これが最終結末だ、と言わんばかりに堂々とそう宣言するアルバート。
それを聞いたら、もう、黙っていられなかった―――。
「ずいぶんな言いようだよね。無駄に大声?よくわからないジェスチャー?総じて幼稚だって?天使のような愛くるしさを、私からは微塵も感じないんだ?そりゃそうだよね。あれ、お仕事モードの極上な作り物の笑顔だもん。夢壊すようで悪いけど、あれが素だと思ってたんなら、かなりどうかしてるよ?」
軽くキレ気味に言い返す。
「わかってます。だからいいんです。リリカは、俺の心の中に存在していればそれでいい」
「心の中に存在って………そんなふうに思われても困るんだけど?」